要素成果物とは?

 要素成果物は、プロジェクトを完了するために作らなければならないモノ(結果や物)です。非常にわかりにくいのですが、PMBOKには大小さまざまな要素成果物があります。フェーズごとの大きなまとまりの要素成果物、ワークパッケージを定義する要素成果物などがあります。
 ところで、要素成果物という言葉がうまく理解できない方がいらっしゃいます。日本語としての分かり難さが原因です。そもそも要素成果物という日本語はありませんでした。要素成果物は「Deliverable」の翻訳のために作られた造語のようです。Deliverableは、素直に訳すと「配達できる、届けられる、納入できる、引き渡せる」となります。ところが【要素】は、あるものの一部の根本的存在、あるいはそれ以上簡単なものに分析できないものとされています。また、要素を逆に英訳すると、elementです。そういう意味からすると要素という言葉は【大げさ】過ぎます。おそらく、この言葉は、本来の意味である【プロジェクトを完了するために作らなければならないモノ】、つまりプロジェクトの【構成要素(component)】であることから、それをさらに省略して、要素としての成果物、やがて要素成果物、というように短縮されたのだと推測されます。ここは一つ、日本語にあまり囚われずにdeliverableという言葉で理解しておきましょう。

成果物とは?

 成果物は、PMBOK後半の用語集にも解説がありません。成果物とは簡単には、プロジェクトによって生み出される製品・サービス・成果、です。PMBOK英語版では【単純にProduct】です。Productはそのまま日本語にすると、産物、産出物、物産、生産品、制作品、製品、結果、成果、生成物など非常に広い意味を持ちます。そういう意味では、要素成果物自体も成果物とも言えます(PMBOKのスコープ記述書の定義を読んでみましょう。プロジェクトの要素成果物はプロジェクトの構成要素である個々の成果物という説明があります)。
 しかし、PMBOKでは基本的に、要素成果物と成果物(DeliverableとProduct)を、使い分けています。
 厳密には、プロジェクトによって生み出される製品・サービス・成果の特徴を記述したものが成果物記述書とされ、また、製品やサービスの特徴や機能を成果物スコープとして定義していることから、プロジェクトから最終的に生み出されるものは【成果物】と考えられます。

 この2つの用語は簡単な日本語に翻訳されていることから、かえって混乱を招いているようにも感じられます。日本に無い概念を日本語化するという作業は大変なのです。

PMBOKはわかりやすくてすきだ!

PMPを目指している人で、PMBOKはわかりやすくて好きだ!!という人に殆ど初めて会いました。素晴らしい・・・・。学習中、私は死ぬほど嫌だったのに。
「現実がかけ離れすぎているから好きかも」と言っていたのには笑えましたが、それでもPMBOKはいい!と断言できるのはすごい余裕だと思います。そういう人を増殖させるセミナーを心がけたいと思います。以後、【素直PMBOKer】と呼ぶことにします。

ところで、Y氏が【頑固PMBOKer】を名付けました。PMBOKに頑固な人という意味です。で、おそらく私は【乖離PMBOKer】でしょう。PMBOKから乖離することが大好き、みたいな。否定はしていないけど、ついつい話をしているうちに脱線しちゃうんですよね。