かけだしPMP殿

かけだしPMP殿の日記(http://d.hatena.ne.jp/rai3desu/20040909)、なかなか面白いです。興味をもって読ませて頂いております。進捗会議の場面で、ある方から「WBSを引き直したからオンスケジュールです」との発言があったようで。うーむ、ですね。WBSを引き直すということは、つまり、プロジェクトスコープのベースラインの変更があったわけで、要するに、プロジェクトスコープの変更なわけで、それによる影響を相当考えなければならず、コストベースライン、スケジュールにも変更があるはず。そもそも、考えてみれば、WBSを引き直しても、時間のベースラインであるスケジュールは変更にならないので、オンスケジュールになる、という発言は出てこない。。。。。なかなか大変なプロジェクトに参加されているようです。

PMBOK的つっこみが、いつも正しいとは限らないわけですが、しかし、このケースでは、つっこみどころ満載、という気がします。別に良いのですが、、、、用語を間違って使っている人が、仕事がちゃんとできるか?というと、やっぱりそうではないですよね。。。。。さらに教訓ですが、10名ほどのPMPが同じ進捗会議に出席されていたそうですが、PMPがいくら束になろうとも、PMBOKをいかに奉ろうとも、実際の「どうにもならないプロジェクトはどうにもならない」のです。人の問題もそうですね。ということで、プロジェクトをうまく進ませるコツは、どうにもならないものはどうにもならないとして、その上で計画をたてて、どうにもならない上の計画が計画通り、どうにもならないとしても、進むように考える、ということがPMBOK的などうにもならないプロジェクトの楽しみ方(進ませ方)だと思います。

あ、人的資源についてもそうですよね。「そこに居る人」「替えたいのに替えられない人」で、プロジェクトは推進せざるを得ないわけです。必要なのは度胸、ですな。KKDは必要なんです。はい。

不確実性を楽しむこととITプロジェクト

好川さんが(http://people.weblogs.jp/pm/cat19393/index.html#a0000099918)面白いことを書いています。この中で、「ただし、これはプロジェクトという言葉を額面どおりに解釈した場合のことだ。IT業界のプロジェクトのように、猫も杓子もプロジェクトという場合には該当しない。」これは深いです。IT業界における真のリスクマネジメントを説明し難いのは、このあたりに原因があるのでは、と、感じられます。ITな人にリスクをわからせようとしてもわかるわけがないのかもしれません。

ところで、最近、組織やコミュニケーションの問題の一部も、不確実性のような事柄として考えることができるのではないかと思ってきています。人間関係の問題は、仏教的には、期待と、それに対する裏切り(と思う錯覚)ではないでしょうか。私の勝手な前提条件を相手がそれと認識せずに、私の期待以外の行動を取り、それをもって怒り・悲しみ・脱力感を感じる、、、と。その勝手な前提条件をもう少し合理的に考えておけば、人間関係を不確実な事象としてドライに捉えられるのではないかな、と、思ってきています。

尤も個人的には、最早、誰にも何も期待しないようにしたほうが幸せだと思っています。心を自由にするということはそういうことのようですし・・・・・。とりあえず合掌。